センバツ高校野球、大会9日目の第2試合は、岩手の花巻東高校が滋賀の彦根東高校に延長10回に1対0でサヨナラ勝ちし、9年ぶりのベスト8進出を決めました。
花巻東は、1回ノーアウト一塁から急きょ登板した2人目の伊藤翼投手が9回まで無失点に抑え、対する彦根東もエースの増居翔太投手が9回までヒットを許さず、互いに無得点で延長戦に入りました。
そして、0対0のまま迎えた延長10回ウラ、花巻東は4番の紺野留斗選手がチーム初となるヒットを打つなどノーアウト満塁のチャンスを作り、最後は途中出場の藤森晃希選手が犠牲フライを打って1対0でサヨナラ勝ちしました。
勝った花巻東は、大会10日目の第3試合でセンバツ2連覇を目指す大阪桐蔭高校と対戦します。
彦根東は、増居投手がキレのあるストレートを中心に14個の三振を奪う快投を見せましたが、延長に入ってコントロールが乱れました。
花巻東 伊藤投手「打たせて取ること意識」
1回の途中からリリーフし10回まで無失点に抑えた花巻東高校の伊藤翼投手は「信頼できる守備陣がいるので、内角を攻めて打たせて取ることを意識した。ファインプレーを続けてくれたので勝つことができた」と試合を振り返りました。
また、甲子園での初登板だったことについては「これまで経験したことがないくらい応援がすごかった。それが自分の力になったので本当に感謝している」と話しました。
花巻東 紺野選手「我慢してチャンス待った」
花巻東高校の4番、紺野留斗選手は、10回にチームで最初のヒットを打ったことについて「ベンチでは我慢してチャンスを待とうと話していた。自分は変化球への対応が得意ではないけれど、我慢した結果、ストレートを打ち返すことができた」と話していました。
また、「『岩手から日本一』を目標にやってきた。1戦1戦集中して、優勝を目指すしかないので、あすの大阪桐蔭との試合も1球1球集中して勝ちたい」と話していました。
花巻東 佐々木監督「守り勝つことできた」
延長10回でサヨナラ勝ちした花巻東高校の佐々木洋監督は「ピッチャーがよく守ってくれて守り勝つことができた。1回途中からリリーフした伊藤翼投手は先月にけがをしていて心配したが、安定した投球をしてくれてよかった」と振り返りました。
そして、「選手たちには辛抱してなんとかやるぞと伝えていた。サヨナラの犠牲フライを打った藤森晃希選手はあまりバッティングがいい選手ではないが、思いっきり振ってくれてよかった」と話していました。
彦根東 増居投手「初ヒット打たれ力んだか」
敗れた彦根東高校の増居翔太投手は、9回までヒットを許さなかったピッチングについて「きょうは出来すぎというくらい調子がよく、ストレートもスライダーもしっかりと腕を振ってコースに投げられたことが好投につながった。いつかは打たれるだろうと考え、ノーヒットに抑えていることはあまり意識していなかった」と振り返りました。
そして、延長10回に初めてヒットを打たれた場面については「悪いボールではなかったが、先頭バッターに打たれてしまったことが悔やまれる。ヒットを打たれた次が大事とずっと考えていたが、逆に力んで次のバッターにフォアボールを出してしまったのかもしれない。最後まで投げ切ることができなかったのが課題だと思う」と話していました。
そのうえで、「ノーヒットノーランよりも勝ちたかった。自信のあるストレートを磨いてもっと体力をつけて、また夏に甲子園に戻ってきたい」と話していました。
彦根東 朝日選手「先輩のリベンジしたかった」
彦根東高校の3番、朝日晴人選手は、9回に1アウトランナー二塁と先制のチャンスに内野ゴロに倒れたことについて「ヒットを打てた1打席目と2打席目は感触がよかったが、9回は当てにいってしまい失敗した」と振り返りました。
そのうえで、5年前に花巻東高校に5対9で負けたことを踏まえて「あのときの試合を見て彦根東に入学した人が多いので、負けた先輩たちのリベンジをしたかった。とても悔しい」と話していました。
彦根東 村中監督「負けたのは私の責任」
彦根東高校の村中隆之監督は「9回までエースの増居翔太投手が抑えてくれたが、6回にスクイズで失敗したように、機転を利かせれば得点できる場面はあった。負けてしまったのは私の責任」と振り返りました。
そのうえで、「選手も監督も状況を的確に把握し、機転を利かせて対応できるように夏に向けて練習したい」と話していました。
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