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w closet×JUGEM

「かがみの孤城 辻村深月著 -ポプラ社- 」43回目の読了

これまでにも、不登校になる理由はそれぞれ違う事にふれたことがあります。そして、本書を読み重ねる毎にそもそも「不登校」という呼び方が適しているのかと、疑問を持ち始めました。
今回は、書かれている内容としては数行ですが、現在も発生しているいじめに対する学校の対応。報道の在り方にも問題提起している箇所に目を留めて、事態の深刻さとより密接に向き合った時間となりました。そして、不登校は病気や家庭事情が理由となって、始まる事もあるので、丁寧な対応が重要で信頼関係にもつながるなぁと。


本書は、中学一年生のこころは、ある出来事を機に学校へ行けなくなり、いつも家で過ごしている。ある日一人で家にいると、部屋の鏡が突然輝き始め、潜り抜けてみると、そこは城の中だった。集められたのはこころを含め、似た境遇にいるらしき中学生が七人。九時から十七時まで滞在が許されるその城で、彼らにはひとつの課題が出される。猶予は一年。戸惑いながらも七人は、少しずつ心を通い合わせていくのだが……。
ああ、久々に初期の頃のような青春小説を書いたのだな……と思いながら読み進めた。自分も思春期にこんなふうに傷ついていたなと思い出すというより、自分があの頃傷ついたのは、こういうことだったのか、と気づかせる描写の巧さに唸る。だが途中で、それだけではないと気づいた。これは、あの頃の気持ちを失わないまま、かつ、大人としての目を持ち合わせるようになった今の著者だからこそ書ける作品なのだ。泣けるのは娘を理解しようと手探りする母親の戸惑いや怒りや喜びが、それに無自覚なこころの目を通しながらもありありと伝わってくる点。子どもが大人に望むことはもちろん、大人が子どもに対して思うことを、こんなふうに巧みに表現してのけるとは。

大人も子どもも、みんなが関係を構築していこうとしている。その部分だけでも充分読ませるが、もちろんミステリーパートも秀逸で、孤城の秘密がすべて明かされていく終盤は驚きの連続。それがまた、胸をしめつける真相だ。救いを求める側から救う側へとなった時、人は本当に救われるのだとも気づかせてくれる一冊となっています。

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  • 2018.06.14 Thursday
  • 13:12

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