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w closet×JUGEM

「かがみの孤城 辻村深月著 -ポプラ社- 」39回目の読了

今回、一番印象深かったのはこちら。

「小学校までのアットホームな環境から、中学校に入ったことでとけ込めなくなる子は、珍しくないですよ。」

これは、「心の教室」へ見学に言った時に責任者からこころのお母さんが、説明を受けているシーンでの言葉です。

私は、何度もこれまでにもお伝えしている通りに、義務教育はすべて特別支援学校で過ごし、高校は一般校へ進学しました。そのため、1クラスあたりの人数は7倍になり、最初の頃は休み時間になるとよくキョロキョロと見渡していたものです。
私の場合には、このように分かりやすい変化があったので「一般校に行ったら状況が全然違うよ」などと、言われるのは自然だと思います。
しかし、一般小学校から中学校へ進学するにあたり、なぜここまで説明されるほどの現実があるのか、イマイチ、ピンとこないのが正直な思いです。
定期テストが、成績に反映される事の大きさなどは、理解していますが。
こうして、分かりにくいと思っているのは私だけでしょうか?




本書は、中学一年生のこころは、ある出来事を機に学校へ行けなくなり、いつも家で過ごしている。ある日一人で家にいると、部屋の鏡が突然輝き始め、潜り抜けてみると、そこは城の中だった。集められたのはこころを含め、似た境遇にいるらしき中学生が七人。九時から十七時まで滞在が許されるその城で、彼らにはひとつの課題が出される。猶予は一年。戸惑いながらも七人は、少しずつ心を通い合わせていくのだが……。
ああ、久々に初期の頃のような青春小説を書いたのだな……と思いながら読み進めた。自分も思春期にこんなふうに傷ついていたなと思い出すというより、自分があの頃傷ついたのは、こういうことだったのか、と気づかせる描写の巧さに唸る。だが途中で、それだけではないと気づいた。これは、あの頃の気持ちを失わないまま、かつ、大人としての目を持ち合わせるようになった今の著者だからこそ書ける作品なのだ。泣けるのは娘を理解しようと手探りする母親の戸惑いや怒りや喜びが、それに無自覚なこころの目を通しながらもありありと伝わってくる点。子どもが大人に望むことはもちろん、大人が子どもに対して思うことを、こんなふうに巧みに表現してのけるとは。

大人も子どもも、みんなが関係を構築していこうとしている。その部分だけでも充分読ませるが、もちろんミステリーパートも秀逸で、孤城の秘密がすべて明かされていく終盤は驚きの連続。それがまた、胸をしめつける真相だ。救いを求める側から救う側へとなった時、人は本当に救われるのだとも気づかせてくれる一冊となっています。

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  • 2018.06.10 Sunday
  • 11:01

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