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w closet×JUGEM

「かがみの孤城 辻村深月著 -ポプラ社- 」38回目の読了

今回は、「症状を伝える難しさ」に焦点として考えました。
こころは、不登校による心身に起こった症状によって苦しい時期を過ごします。
この場面で、私自身がこれまでに経験してきた様々な症状と重ねあわせるように、当時を振り返りました。
そして、傍目からは元気そうに観てえてしまうと、例え具合が悪いことを伝えても仮病と誤解される事が多くつらさが増す事は、きっかけとなったことよりも重くのしかかると思います。この時、まるで胸中の一番奥深いところをまるでギュッと握りつぶされるかのように、痛みを感じました。
当時、落ち込んでいる私を観て、母がこう言ってくれた事を鮮明に覚えています。
「あなたの病気には『症候群』の『症』の字が複数あるから、どんな症状が出てもおかしくない。悔しくても、とにかく生きて伝えるしかないの。」

この時、私は高校生。頭では分からない症状もあると理解できていましたが、暴発する体に不安を覚え、途方に暮れる思いでした。その中でも、症状が落ち着いている時は、私なりに楽しんでいる事を一番理解してくれている母からの一言は、大きな支えとなりました。

病気に限らず、すぐに解明されないことは多くあります。
その状況において、真っ暗闇の中の場合もありますか、小さな希望が見えれば心持ちにも変化が現れますよね(^-^)



本書は、中学一年生のこころは、ある出来事を機に学校へ行けなくなり、いつも家で過ごしている。ある日一人で家にいると、部屋の鏡が突然輝き始め、潜り抜けてみると、そこは城の中だった。集められたのはこころを含め、似た境遇にいるらしき中学生が七人。九時から十七時まで滞在が許されるその城で、彼らにはひとつの課題が出される。猶予は一年。戸惑いながらも七人は、少しずつ心を通い合わせていくのだが……。
ああ、久々に初期の頃のような青春小説を書いたのだな……と思いながら読み進めた。自分も思春期にこんなふうに傷ついていたなと思い出すというより、自分があの頃傷ついたのは、こういうことだったのか、と気づかせる描写の巧さに唸る。だが途中で、それだけではないと気づいた。これは、あの頃の気持ちを失わないまま、かつ、大人としての目を持ち合わせるようになった今の著者だからこそ書ける作品なのだ。泣けるのは娘を理解しようと手探りする母親の戸惑いや怒りや喜びが、それに無自覚なこころの目を通しながらもありありと伝わってくる点。子どもが大人に望むことはもちろん、大人が子どもに対して思うことを、こんなふうに巧みに表現してのけるとは。

大人も子どもも、みんなが関係を構築していこうとしている。その部分だけでも充分読ませるが、もちろんミステリーパートも秀逸で、孤城の秘密がすべて明かされていく終盤は驚きの連続。それがまた、胸をしめつける真相だ。救いを求める側から救う側へとなった時、人は本当に救われるのだとも気づかせてくれる一冊となっています。

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  • 2018.06.09 Saturday
  • 10:23

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