サッカーのアジア王者を決める大会アジアカップは決勝が行われ、日本はカタールに1対3で敗れて、2大会ぶりの優勝を逃し、森保一監督就任後、最初の国際大会は準優勝でした。
大会はUAE=アラブ首長国連邦で開かれて、世界ランキング50位の日本は1日、決勝で世界93位のカタールと対戦しました。
日本は前半12分、カタールのエース、アルマエズ・アリ選手にオーバーヘッドキックで、1つの大会での最多得点記録を更新する9点目のゴールを決められて先制され、27分にもミドルシュートで失点し、2点をリードされました。
それでも後半は、持ち味の縦への速い攻撃も見られるようになり、24分にミッドフィルダーの塩谷司選手の縦パスからチャンスをつくり、期待の若手の1人、南野拓実選手が右足で今大会初ゴールを決めて、1対2と1点差に追い上げました。
しかし、終盤にキャプテンの吉田麻也選手がペナルティーエリアの中で、相手の選手と競り合った際にハンドの反則をとられ、ペナルティーキックで追加点を奪われました。
日本は1対3で敗れて、2大会ぶりの優勝を逃し、森保監督が去年7月に就任してから初めての国際大会は準優勝でした。
一方、カタールは初めてのアジアカップ優勝で、3年後のワールドカップの開催国として力をつけてきていることを示しました。
MVPはカタールのアルマエズ・アリ
サッカーアジアカップのMVP=最優秀選手には、優勝したカタールのフォワード、アルマエズ・アリ選手が選ばれました。22歳のアリ選手は持ち味の突破力を発揮して、決勝でも先制ゴールを決め、大会通算9得点を挙げて得点王にも輝き、1つの大会での最多得点記録も更新しました。
森保監督「ステップアップしたい」
日本代表の森保一監督は「われわれは優勝を目標にし、応援してくれた人たちも期待をしてくれていたのに優勝できず残念だ。選手たちは準備のところから、チームのために成長を掲げやってきたし、スタッフも支えてくれた。チームがやってきたことは誇りに思ってもらえることだと思う。負けたということは相手のほうが強かったということなので、この試合や大会を分析してステップアップしていきたい」と話しました。
吉田選手「まだまだ足りない」
キャプテンの吉田麻也選手は「カタールは中2日での試合にもかかわらず、いい準備をして、僕たち以上に積極的に戦った。前半2失点してしまったことが、勝敗を大きく分けた。後半、僕たちも積極的に、より速いテンポで試合を進めようとしたが、前半に受け身になってしまったことが最後まで尾を引いてしまった」と振り返りました。
そのうえで「日本はまだまだ足りないことだらけだし、自分自身もチームも一瞬の隙を突かれた。今後控えている国際大会やワールドカップ最終予選から学んで成長を続け、次のワールドカップにつなげたい。アジアカップを通してレベルアップはできたと思うが、やっぱり隙がまだある。自分たちの隙を見せないアプローチをもっとやっていかなければならない」と話しました。
大迫選手「本当に悔いが残る」
エースとしてチームを引っ張った大迫勇也選手は「僕らはもっと前半、よいプレーをすべきだったし、チーム全体としてうまくいかなかった。本当に悔いが残るし、応援してくれたサポーターの皆さんには申し訳ない気持ちです」と話しました。
そして、「ワールドカップとアジアカップでは悔しい思いしかしていない。借りを返すのはワールドカップしかない」と次に向けた目標を話していました。
南野選手「実力不足」
決勝で日本唯一の得点を決めたミッドフィルダーの南野拓実選手は「非常に悔しい結果になってしまい、応援してくれた人たちに申し訳ない。前半は攻撃もうまくいかず、守備で2失点してしまい苦しい展開になった。得点をきっかけに同点から逆転につなげないといけなかったが、追いつけなかったのは実力不足だ。チームとしては1試合1試合成長できたと思うが、日本にとっては優勝しないと意味がない大会だと思っていたので、非常に悔しい」と話しました。
冨安選手「悔しさをバネに」
チーム最年少の20歳のディフェンダー、冨安健洋選手は「前半でしっかりと無失点に抑えられず、難しいゲームになった。後半は負けていたのでリスクを冒しても行くしかない状況だった。技術うんぬんよりも勝ちたいという思いがあったが、結果的が出ず甘かった。まだまだ力が足りなかった」と試合を振り返りました。
そのうえで、今大会について「自分の成長につながる大会だったと思うし、それに結果がともなえばもっとよかった。最後は勝って優勝したかった。きょうの敗戦を忘れず、この悔しさをバネにこれからやっていきたい」と話していました。
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