(例えば、難聴になる兆し、その後の生活、福祉サービスなどについて。さらには、身近な方をサポートする際のポイントなど。)
これは、長年思い続けている事です。さらに昨日、2つのきっかけがありました。
1つは、NHKのニュースサイトで、「“話したくても話せない”50万人の現状」という記事を読んだことです。その内容は、失語症を持つ当事者とその家族の苦悩の様子。
病院ではST(言語聴覚士)の資格を持ったスタッフが不足しているため、言葉のリハビリを受ける事も困難な場合が多い現実。
厚生労働省は、失語症について基礎知識を学んだ上で、外出に同行したり、訓練の一環として話し相手になったりする「意思疎通支援者」と呼ばれる人たちの養成を本格的にする旨が、書かれています。
遅れましたが「失語症」とは、脳卒中や交通事故などが原因で、脳がダメージを受けて、会話や読み書きに必要な機能が低下してしまう症状です。失語症の人や家族などで作る「日本失語症協議会」によると、その数は、全国で50万人と推計され、中には、ことばを話せなくなる人も少なくありません。
そして、同記事はこのように結ばれています。
《もし、ある日突然、ことばが話せなくなったらどう思いますか?そして、助けが欲しくても誰にも相談できなかったら…、社会から取り残されてしまったら、どれほどつらく、心細く感じるでしょうか。
そうした状況にいる大勢の失語症の人たちを支える仕組みが、今、求められています。》
私は失語症ではないですが、心打たれるものがありました。体調不良の時には、音声言語で伝えるのもツラいと思う経験もしてきましたし。
何度もお伝えしている通りに、読唇術がここまで可能だとはいえ、聴覚障害を有していることには変わりないわけで、とても他人事だとは思えないほど、身近に感じました。
さらに2つ目のきっかけは、いつも何かと幅広く話している、かずちさんとの何気ない会話の中にありました。
この中で、彼女自身・家族の話題共に自然と出ました。
その時にやっと、1つの事に気づいたのです。
それは「質問の視点を変えてみると、皆様からの声も寄せられるようになるかな」と。
この点が、心のど真ん中にたどり着くまでに、どれほどの時間を費やしているかと考えると、赤面寸前です!
実は先日、聴覚障害について「自分が発症したと仮定して、知りたい事はない? 」と、かずちさんに質問してみたのです。
ところが、私のスキルの貧困さゆえに、もろくも呆気なく撃沈。それどころか、彼女から反対に質問される展開になりました。その後は脳裏に、チラつくだけの日々に戻っていました。
それが、NHK記者の方の記事上の結びを読んだ途端に、「なんで、本人が発症する仮定でしか質問できなかったんだろう?」と、衝撃が走りました。
私が生まれた時代は、まだインターネットも普及していなかったので、両親も医師からの話や文献を頼りに、二分脊椎症や水頭症などについて理解を深めていったと聴いています。
今では、インターネットを家庭で使うことが、すっかり定着して情報にふれやすくなっているのは、言うまでもありません。それでも、本人から聞いてみたいことは、あるはずです。
障害者の方々の中には、障害について話したくない場合もあります。さらに、健常者の方々も「聞いてはいけない」という風潮が日本には根強く残っていると思うのですが、いかがでしょうか?
本当は、障害について伝えたいご本人、聞いてみたいことがある方もたくさんいらっしゃいますよね。
私は、障害が増える度に「それまであった身体機能があった事がスゴいこと」、そして、「新たな症状を発症した状況が自然」を繰り返している1人です。
そのため、健常者もしくは、私より軽度の障害者の方々にとって、どんな事が新鮮な情報となり、どんな事を疑問に思われているのか知りたいのです。
ご自身や身近な人が、もし、聴覚障害を発症されたら最初に知りたい事はどんなポイントでしょうか?
最後に、この記事を御一読してくださった皆様に心よりお礼申し上げます(^-^)