中学生棋士の藤井聡太六段が今期、初めて参加した「順位戦・C級2組」の最終戦に臨んでいます。これまで全勝を守って1つ上の組への昇級を決めている藤井六段は15日勝てば、この組では過去に5人しかいない「全勝・1期抜け」を果たします。
藤井聡太六段(15)は名人を頂点とする棋士のランクを決める順位戦に今期、初めて参加し、最も下のクラスの「C級2組」に在籍して同じ組の棋士との対局を続けています。
これまでに9勝0敗とただ1人全勝を守り、この組を1期で通過して1つ上の「C級1組」に進むことを決めています。
藤井六段は15日、東京の将棋会館で今年度の順位戦の最終戦に臨み、三枚堂達也六段(24)と対局しています。
藤井六段が公式戦で三枚堂六段と対局するのは2回目で、前回は敗れています。
対局は午前10時に先手の藤井六段が飛車先の歩を突いて始まり、序盤から駒がぶつかり合ったあと、主導権を争う展開となっています
藤井六段はこの対局に勝てば、C級2組の1期抜けを全勝で果たすことになりますが、日本将棋連盟によりますとこれを達成した棋士は過去に5人しかいないということです。
15日の対局はそれぞれの持ち時間が6時間あり、勝敗は夜遅くに決まる見通しです。
順位戦とは
順位戦には「A級」から「C級2組」まで5つのランクがあり、プロ入りした棋士のほとんどは、まずはいちばん下のC級2組に在籍して、年に1度の昇級をかけて、同じクラスの棋士と10局を戦います。
藤井六段がいるC級2組には、現在50人が在籍し、このうち通算成績が3位以内になった棋士が、1つ上のC級1組に昇級できます。
藤井六段は、先月1日の対局で9勝0敗とした時点でこの組の1位通過を決め、C級1組に進むことになりました。
日本将棋連盟によりますと、中学生でプロ入りを決めた棋士は藤井六段の前に4人いますが、C級2組の「全勝・1期抜け」を果たした人はいません。
現役を引退した加藤一二三九段は1期で抜けたものの1敗を喫し、谷川浩司九段と羽生善治二冠は2期、渡辺明棋王は3期かかったということです。
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