星野仙一さんを悼む声が親交があった人たちから相次いでいます。
田淵幸一さん「私の人生の師」
星野さんと大学時代から親交があり、阪神などでプレーした田淵幸一さんは、現役時代、同じセ・リーグで何度も星野さんと対戦し、引退後は阪神や楽天、それに北京オリンピックの日本代表でコーチとして監督の星野さんを支えました。
田淵さんはNHKの取材に対し、「けさ聞いたばかりで頭が真っ白だ。彼とのつきあいは50年以上になり、親友を亡くしてこんなにつらいことはありません。彼は、男がほれる男だった。そして、弱みを見せない男で最後まで俺にも弱みを見せなかった。ガンで闘病をしていることなんて聞いてもいなかった。こんなにつらいことはないが最後まで弱みを見せなかったのがあいつらしいな、と思う。大学時代からのつきあいで同じ学年だけど、星野仙一は私の人生の師だった」と涙をこらえながら話していました。
そして、星野さんが亡くなる3日前の今月1日にも携帯電話のメールで新年のあいさつなどをやり取りし電話でも話をしたということで、「毎年、正月にメールでやり取りをしていたがことしは体調がよくないという内容だった。それでも、体調を戻してまたゴルフへ行こうと約束していたのでまさかここまで悪かったとは思ってもいなかった。メールの最後に、初めて『ありがとう』とあって、それが彼のお別れの言葉だったのかな」と話していました。
山本浩二さん「本当に早すぎる」
星野さんと大学時代から親交があった山本浩二さんは、現役時代や監督になってから同じセ・リーグで何度も星野さんと対戦し、北京オリンピックの日本代表ではコーチとして監督の星野さんを支えました。
山本さんは「突然の訃報に言葉が出ない。あまりにもショックが大きい。去年11月に東京、12月に大阪で行われた殿堂入りパーティーのときは元気がなく、顔つきや声にも力がなくなっていたので心配はしていた。大阪のパーティーのあと3日後くらいにお礼の電話がかかってたので、『気をつけてくれよ』と話したばかりだった。本当に早すぎる」とコメントしています。
長嶋茂雄さん「闘志満々だから私も燃えた」
星野さんと現役時代、何度も名勝負を繰り広げ、監督としても同じセ・リーグで戦った巨人の終身名誉監督を務める長嶋茂雄さんは「あまりにも突然のことで本当に残念でなりません。去年11月に開かれた星野さんの『野球殿堂入りを祝う会』で、『これからも野球界のために力を貸して』とメッセージを送ったばかりです。『打倒巨人』を前面に、闘志満々でぶつかってきた投手だったからこそ、私も負けずに『さあ仙ちゃん、来い』と心を燃やすことができ、対戦するのが本当に楽しみでした。監督としても多大な実績を残され、さらなるご活躍を期待していました。ご冥福をお祈りします」と、球団を通じてコメントしています。
立浪和義さん「野球に取り組む姿勢学んだ」
星野さんが中日の監督だった平成11年にレギュラーとしてリーグ優勝に貢献した立浪和義さんは「突然すぎて何と言っていいかわからない。先月会ったときはしんどそうで、かぜでもひいたのかと思っていた」と、突然の訃報に驚きを隠せない様子でした。
そのうえで、「星野さんは自分をドラフトで指名して1年目から使って育ててくれた恩人。勝負に対する厳しさや野球に取り組む姿勢をいちばん近くで見て学ぶことができた。これだけ野球界を盛り上げてきた人は本当に数えるほどしかいない。自分だけでなく多くの野球人が星野さんに感謝しているし、ゆっくりと休んでいただければと思う」と話していました。
下柳剛さん「星野さんらしい人生」
平成15年に阪神がリーグ優勝した際、監督を務めた星野さんの下、先発ピッチャーとして活躍し、後に楽天でもともに戦った下柳剛さんは「亡くなったと聞いたときはうそじゃないかと思ったし、今でも信じられない」と現在の心境を話しました。
また、印象に残っていることについては「まずは星野さんの下、阪神でリーグ優勝できたこと。それに楽天時代に引退の報告をした際、一緒に泣いて『もう少し頑張ってみろ』と声をかけてもらったことが忘れられない」と、温かかった人柄をしのんでいました。
そして、「最後まで弱いところを見せず星野さんらしい人生だったと思う」と話していました。
田中将大投手「胴上げは大切な思い出」
大リーグ、ヤンキースの田中将大投手は、星野さんが楽天の監督を務めていたときにチームのエースとして活躍し、平成25年には24勝負けなしと圧倒的な成績をマークし、チームの初めてのリーグ優勝、日本一に貢献しました。
田中投手は、星野さんが亡くなったことについて、「あまりに突然のことで信じられません。楽天で日本一になり、星野さんを胴上げできたことは僕の野球人生の大切な思い出です。大リーグでプレーすることを応援してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。心よりご冥福をお祈りします」とコメントしています。
楽天 梨田監督「厳しさを継承し戦う」
楽天の球団副会長を務める星野さんが亡くなったことについて、梨田昌孝監督は「チームの精神的支柱でした。想像もしていなかったので、ただただ驚いています。現役時代から大変可愛がっていただき、平成13年に近鉄でリーグ優勝した時には『優勝監督はええ顔しとるな。次は俺もやったるぞ』とおっしゃって、見事、平成15年に阪神を優勝に導かれました。星野球団副会長が球場に入るだけで現場の空気がピーンと張り詰めるのがわかりました。星野さんのまねはできませんが、あの厳しさと威圧感を継承しながら、心新たに現場とフロントが一体となり戦ってまいります」と球団を通じてコメントしました。
楽天 三木谷オーナー「感謝の思いでいっぱい」
楽天の球団副会長を務めてきた星野さんが亡くなったことについて、三木谷浩史オーナーは「チームを創設する前からいろいろと相談に乗っていただき、日本一を成し遂げ、常勝軍団への礎を築き上げていただき、本当に感謝の思いでいっぱいです。野球の世界だけではなく幅広い分野でご活躍され、功績は語り尽くすことができません。今はただただ、心安らかにお休みくださいと申し上げたいと思います」と、球団を通じてコメントしました。
中日 森監督「突然のことで驚き」
中日の森繁和監督は「あまりに突然のことで驚いています。私が中日の監督になってからはお会いするたびに“中日を頼むぞ”と声をかけていただきました。心からご冥福をお祈りいたします」とコメントしています。
巨人 高橋監督「『巨人が強くないとダメだ』と激励」
星野さんが特に巨人戦での勝ちにこだわっていたことを受けて、巨人の高橋由伸監督は「去年11月、野球殿堂入りを祝う会でお会いしたときは、お元気そうだったので本当に驚いています。巨人に対して特別な感情で勝負されていた星野さんには、私が監督になってからお会いするたびに『巨人が強くないとダメだぞ』と激励していただきました。その言葉は私の胸に常に刻まれています。心よりご冥福をお祈りします」と球団を通じてコメントしました。
斉藤コミッショナー「功績に改めて敬意」
プロ野球の斉藤惇コミッショナーは「突然の訃報に驚き、深い哀悼の念を感じています。闘将としての現役選手、そして指揮官時代のご功績に改めて敬意を表します。楽天球団幹部となってからも、プロアマ一体となった野球界全体の発展を常に考え、子どもたちに野球の夢を与えることを熱く訴えておられました。その野球への情熱をご遺志として重く受け止めたいと思います」とコメントしています。
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