サッカー日本代表は、来年のワールドカップロシア大会に向けた最初の強化試合のニュージーランド戦に2対1で競り勝ちました。ハリルホジッチ監督は、後半、劣勢だった試合の流れを変えた途中出場の選手たちを評価する一方、繰り返しあったチャンスで得点を奪えなかったことを改めて課題にあげました。
日本は前半、選手たちが素早い出足で相手にプレッシャーをかけて主導権を握り、ハリルホジッチ監督が掲げる「縦に早く攻めるサッカー」を実践しました。
ケガから復活し4試合ぶりの代表戦となった香川真司選手は攻撃の起点となる「トップ下」のポジションに入り、みずからシュートも狙うなど繰り返しチャンスを作りました。
また、およそ1年ぶりの代表戦となったフォワードの武藤嘉紀選手は、左サイドに入ってスピードを生かしたドリブル突破を試みるなど、持ち味を発揮しました。
しかし、圧倒的に主導権を握っていた前半は得点を奪うことができず、ハリルホジッチ監督は、多くのチャンスを作ったことについては評価したものの、「焦ったり慌てたりして、最後のシュートを打つところで集中できていなかった」と指摘し、選手たちに改めてシュート力の向上を促しました。
今回の強化試合で大きな狙いの一つが、来年のワールドカップを見据え、できるだけ多くの選手を試すということでした。
先制したあと相手に攻め込まれる時間帯が続き、同点に追いつかれてしまった後半15分以降、ハリルホジッチ監督は杉本健勇選手や乾貴士選手などを次々に投入し、6人の交代枠を使い切って選手にチャンスを与えました。
その中で、日本に試合の流れを引き寄せる活躍を見せたのが武藤選手に代わって左サイドに入った乾貴士選手と決勝ゴールをあげた倉田秋選手です。
乾選手は持ち味のスピードを生かし繰り返し攻撃の起点となり、また、倉田選手はピッチに入ってわずか5分後に訪れたチャンスをものにして代表初ゴールをあげました。ハリルホジッチ監督は決勝ゴールのシーンについて「あのすばらしいプレーはチームにとって大きい」とたたえました。
日本代表は今月10日、世界ランキング48位のハイチと対戦したあと、来月はヨーロッパに遠征して強豪のベルギーとブラジルとの対戦を控えています。
来年のワールドカップの1次リーグの対戦相手はことし12月に決定するため、ハリルホジッチ監督は年内には戦力を見極めたい考えです。強化試合で見つかった課題の克服に取り組みつつ、ワールドカップの代表メンバー23人に入るための争いが続きます。
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