こちらを読んで、稲垣さんがSMAP時代よりさらに充実した日々を過ごされている様子が伝わってきました(^_^)3人の関係性も以前に比べてさらに、そして、主演映画もぜひ観たいです!
以下は、原文のままです。
2019年、文化娯楽面の幕開けを飾るのは稲垣吾郎(45)。SMAP解散後、ファンサイト「新しい地図」を拠点に活動を続けていて、俳優としては2月15日公開の主演作「半世界」で新たな境地を切り開き、盟友の草彅剛(44)、香取慎吾(41)と一緒に取り組む2020年東京パラリンピックの啓発活動にも特別な思いを抱く。地図に終わりはなく、広げていくもの−。稲垣が語る新年の抱負は、力強いメッセージでもある。(酒井健)
不器用な父親…炭焼き職人を熱演
「世の中は、波瀾(はらん)万丈な人生を送る人ばかりじゃない。派手なエンターテインメントではないけれど、普通の悩みを抱えた市井の人の心に響いてほしい」
「半世界」への思いをそう語る。地方で暮らす炭焼き職人の紘(こう)を演じた。山中の窯で備長炭を焼き、街で売る庶民的な自営業者だ。知的でスタイリッシュな役が多かったが、「環境が変わり、新しいスタートを切った時期に、ふさわしい映画を与えていただいた」と新たなチャレンジに手応えをつかんだ。
「半世界」の一場面。左は息子役の杉田雷麟
反抗期の息子との対話も劇中の見どころの一つだ。「自分も父親になったら、こんなふうに不器用になっちゃうのかなと思った。没頭して何かを作るのも好きだし、かけ離れた役のようで、どこか自分っぽいところがあるのかも」と振り返る。約一カ月滞在した三重・伊勢志摩地方でのロケでは「日本の原風景のような場所で、多くの方に協力をいただきながら役作りができた」と感謝する。
『ばるぼら』では破滅型の小説家
映画では今年、手塚治虫原作の主演作「ばるぼら」も公開予定で、こちらは破滅型の小説家役。「他人の人生を演じ、その世界に連れて行ってもらえるのが俳優の仕事の魅力。どんな役にも、どんな世界にもなじめるようにしていきたい」と信条を語る。
芸歴は三十年を超えるが「俳優一筋の方に比べれば、出演数は少ない。作品数を増やしていきたい。映画に舞台、もちろんテレビドラマもチャンスがあればやりたい」と意欲を見せる。
東京パラリンピック盛り上げたい
SMAP解散後、草彅、香取と始めた「新しい地図」は、基本的に個人としての三人の集まる“場所”。そこに集うファンやスタッフも大切な仲間だという。でも「グループ名ととらえてもらっても、応援してくれる人の見方で良いと思う」。草なぎ、香取の二人とは「SMAP時代よりもよく話し、ほどよい距離感を保っている」と話す。
その三人が力を入れているのが、東京パラリンピック開催に弾みをつける「スペシャルサポーター」の役割だ。パラスポーツ(障害者スポーツ)の普及や認知度の向上に励んでいる。
昨年7月、パラスポーツ応援ソング「雨あがりのステップ」で得た収益を寄付する3人=東京都品川区で
三人で歌う応援曲「雨あがりのステップ」を配信で出し、昨夏にはその売り上げ約二千三百万円を競技の発展のために寄付した。「皆さんが多くの寄付金を与えてくれた。みんなでパラ五輪を盛り上げていくことにつなげたい」と喜ぶ。同十一月に東京都調布市で啓発イベントに三人で出演し、選手や障害のある音楽家らと交流した。
年末にも千葉市で開かれたウィルチェアー(車いす)ラグビー大会で、ゲストとして競技用車いすに乗り、選手のタックルも受けた。「車いすでぶつかる衝撃とかを体験できた。障害者の競技というより、新しいスポーツの一ジャンルです」と目を輝かせる。
国民的人気グループの活動に終止符を打って二年が過ぎた。稲垣、草彅、香取の三人は真っ白で大きなスペースに向き合い、自分たちの地図を描き始めている。
三者三様の活動は充実している。パリ・ルーブル美術館で個展を開くなど画伯としても活躍する香取を「平昌(ピョンチャン)(冬季パラリンピック)も観戦し、パラスポーツには一番意欲的」、草彅を「先月の舞台『道』で、パワーや気迫といった新しい姿を見せてくれた」。刺激し合う仲間のことをうれしそうに語る。
先月四十五歳になった稲垣は「新しい地図」に託して心境を語る。「人生って、描いて旅して終わりじゃない。地図をずっと広げていくことだと思う。知っている場所もアップデート(更新)されていく。終着点は、考えたことがない」
<映画「半世界」> 地方都市で製炭業を営む39歳の紘(稲垣吾郎)は、妻の初乃(池脇千鶴)と中学生の長男明(杉田雷麟(らいる))との3人暮らし。ある日、自衛隊員として海外派遣されていた同級生の瑛介(長谷川博己)が退官して帰郷する。心の傷を察した紘は、中古車販売業を手掛ける光彦(渋川清彦)を誘い、同級生3人で十数年ぶりに酒を酌み交わす。数日後、紘は瑛介を炭焼きの仕事に誘うが…。昨年の東京国際映画祭コンペティション部門に出品。阪本順治監督。
<いながき・ごろう> 1973年12月8日、東京都出身。6人組グループ「SMAP」(のちに5人に)のメンバーとして91年デビュー。歌や映画、テレビドラマ、バラエティーなど多彩に活躍。2016年末に解散後は、元メンバーの草なぎ剛、香取慎吾と志を共にし、ウェブサイト「新しい地図」を拠点に活動を続けている。